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第7回The Economist読む隊感想

議事録

http://ecotai.g.hatena.ne.jp/keyword/%5B%E7%AC%AC7%E5%9B%9E%5D

基本情報は上記参照。

Face value(Sergio Marchionne, Fiat Group)

パラグラフ8個。

P1

2005年からの会社の鮮烈な復活劇を演出したフィアットCEO、Sergio Marchionne(セルジオ・マルキオンネ)でさえ、この数日は気力と体力を削る試練となるだろう。ビッグスリーの1つ、クライスラーの命運はマルキオンネ氏、米国財務省クライスラー幹部、労働組合、そして債務者の会議の結果にかかっていた。

P2

マルキオンネ氏はクライスラーを建て直す自信はあったものの、まだまだ間違いを犯す可能性もあることも理解している。労働組合は十分妥協していると主張しているし、債権者は少しでも損を取り戻そうと財務省に詰め寄っている。財務省はある程度信用していて、以前約束した通り6億ドル融資しようとしている。しかしマルキオンネ氏がいかに政府を驚かせようが、強烈な個性があろうが、省庁の官僚はそれでもクライスラーは手遅れなんじゃないかと怖がっていた。

P3

なぜマルキオンネ氏は、ダイムラーやサーベラスが見放したクライスラーを救い出せると信じているのか? 答えは簡単、彼が以前にやったことだからである。

P4

イタリア生まれのカナダ育ち、弁護士と会計士の両方の資格を持つが、その風貌はどちらの国のステレオタイプとは違っている。ピシッとしたスーツよりもだぶだぶのセーターを好み、その性格は豪放磊落。合意形成をとるよりもわが道を突き進むタイプで、その勢いで企業内政治などを破壊していった。

P5

2004年、フィアットのCEOに就任直後のマルキオンネ氏は以下の改革を行った。

  • 既存組織の破壊
    • 60日かけて、幹部の多くを辞めさせた。その基準は、(a)古株であること(b)市場の動きを正しく理解して業務を遂行していないこと、である。
    • 代わりに若く、開放的で、素早いコミュニケーションがとれる、彼の期待に答える若手を幹部に据えた。
  • スピードアップ、そして選択と集中
    • 共有パーツ*1以外に資本を投入するのをやめた
    • プラットフォーム*2を2006〜2012年の6年間のうちに19から6に減らす
    • 新車のデザイン選考期間を26ヶ月から18ヶ月に
P6

フィアットクライスラーの提携は、数ヶ月前までは単に技術交換が目的だった。この時点ではフィアットクライスラー株を35%取得する予定だったが、今ではクライスラーの公的資金注入に対する返済が行われるまで20%しか取得できなくなっている。しかしフィアットクライスラーに対する提携の意志を固めている。交渉が成立すればマルキオンネ氏はCEOとなり、米国財務省とともに取締役を送り込む。

P7

クライスラーの再建は、おそらくルノーが日産と提携したときのカルロス・ゴーンと同じ手法を取るだろう。マルキオンネ氏は2つの会社を行き来し、クライスラー内に展開されたフィアットの「殺し屋」達は改革を推し進める。

P8

いくら再建に自信があるとは言え、なぜリスクを犯してまで挑戦するのか?
それは、近い将来の自動車業界再編の流れの中で生き残るためには、フィアットは小さすぎるからだ。
最後の一文はこれ。

彼は今のところフィアットで出来る限りのことをこなしてきたが、それで満足しているわけではないようだ。狩られるものより狩るものでいる方が、より多くの興奮と満足感を得られるのだ。

まとめ

クライスラーの経営再建を目的としたフィアットクライスラーの提携についての会議が行われている。提携が実現すれば、クライスラーは6億ドルの公的資金注入とともに、フィアットと米国財務省によって経営再建が行われることになる。
フィアットCEO、セルジオ・マルキオンネは2004年に就任した後、大規模な改革を行うことによって経営難だったフィアットを復活させた。そのフィアットクライスラーの再建に乗り出す姿は、かつてルノーのカルロス・ゴーンが経営難の日産を救ったのに似ている。
クライスラーの再建は、マルキオンネ氏にとってもフィアットにとってもリスクの低いものではないが、それでも再建に乗り出したのは、業界再編の流れの中でフィアットが生き残るためには不可欠だと判断したからである。

感想

今回の例会を実施した時点(5/1)ではもう既にクライスラーの破産とフィアットとの提携が確定していました、というより丁度その発表が行われたばかりでしたのでとてもホットな話題でした。
文中にもありあますが、日産とルノーの提携と非常に良く似た内容です。
カルロス・ゴーン経営を語る (日経ビジネス人文庫)あたりを読んでると、より一層楽しめます。
結局のところ、マルキオンネ氏がフィアットにおいて行った改革は「人事の刷新」と「選択と集中」の2つだけです。前者はともかく、後者は大抵の会社では誰かしら口にしている言葉でしょうが、実際に行うとなると社内からの強い抵抗があります。なぜなら誰も「選択されない側」、つまり淘汰される側になりたくありませんからね。口では選択と集中の重要性を理解しても、いざ自分が淘汰される側になると必死で抵抗するわけです。つまり、選択と集中を実現するには、こうした抵抗を退けるだけの力が必要です。それだけの力を持つ者はCEO以外に存在しません。
マルキオンネ氏の改革に憤りを感じた社員も相当いたことでしょう。しかしその一方で、両手を上げて喜んだ社員も多かったのではないかと思います。社員も馬鹿ではありません。自分の会社の問題点に気づいていながら、力がないばかりに「仕方がない」とか「上が悪い」とか愚痴をこぼしていた人もいたでしょう。
おそらくこれから同じことが、クライスラーの中で起きるのだと思います。古い世界を壊し、新しい世界を築く改革が。社員は、古いものとともに滅びる(=会社を去る)か、新しい秩序とともに生きるかの選択を迫られます。この名も無き一社員達が何を考えているか、是非知りたいものです。

Politics this week

  • イスラエル軍「内部調査したけど、まあ確かにちょっとした手違いぐらいはあったが、基本的にオレら国際法に基づいて戦争やってたよ」
    • 内部調査の結果とか、説得力がなさすぎる
  • オバマ大統領が「もっとできる! 尋問☆マニュアル」をばらしたことについて旧ブッシュ政権がぶちきれてる件
  • 総選挙中のインドで共産党系反政府団体によってトレインジャックっぽいことされた件。写真がやたら日常っぽくて緊張感がわからない
  • イギリス警察「このパキスタン人11人は間違いなくテロ計画を立てていた。いやもうマジ」→証拠見つからず→イギリス警察「まあどっちでもいいよ。お前ら国外退去ね」
    • ばてれんさんマジ鬼畜
  • キプロスとか今回初めて場所知った


(2009/5/3 id:KOICHI_GOTO 氏の指摘を受け修正)

*1:異なる車の間で互換性のあるパーツのことらしい

*2:参考:[http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A0_(%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A)]