第20回The Economist読む隊感想


http://ecotai.g.hatena.ne.jp/keyword/%5B%E7%AC%AC20%E5%9B%9E%5D
基本情報は上記参照。

Face value(Kunio Harimoto, TOTO)(張本 邦雄)

全11パラグラフ。

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TOTOの新製品、Neorest の話。それはトイレのランボルギーニであり、キャデラックである。間違いなくジェームズ・ボンドが使うようなトイレだ。

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日本企業のTOTOは年間5000億円の売上を稼ぎ、その1/3以上はトイレとその周辺機器で稼いでいる。ウォッシュレットで有名なTOTOのトイレだが、このウォッシュレットは1980年に導入され、今や日本の70%の家庭に存在し、国民的アイドルとなっている。最近までは家庭にあるコンピュータの数より多かった。このトイレは年間150万台販売している。

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TOTO、東洋陶器は1917年、まだ下水機能が都市に完備されていなかったころに西洋式便器を導入した。

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この4月に社長に就任した張本氏は、1973年に早稲田大学を卒業後TOTOに入社、多くの日本企業の社長と同じように、ゆっくりと出世していった。しかし彼の経営手法は今までのやり方とは異なっている。インタビューの間、彼はわからないことがあればためらうことなく側近に尋ねるし、側近達も彼に間違いがあれば訂正する。日本ではこのような振る舞いはほとんど聞かれない。社長に思い切って異論を述べることは稀で、その空気は冷たいぐらい形式的だからだ。また、張本氏の服装もブレザーに日焼け色のズボンと、日本のビジネスの慣習を破っている。

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彼の計画も過激だ。TOTOは中国、アジア、アメリカ大陸を中心として売上げの15%を海外で稼いでいる。しかし売れるのは安い和式便所ばかりである。

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アメリカでは年間2000台も売れないし、ヨーロッパは国ごとの規格がバラバラで、規格に合わせるための開発コストがかかる。

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さらに、ハイテクトイレが日本で普及したのには日本特有の理由がある。日本は狭い家の中で数世代の家族が一緒に住むため、トイレだけがプライバシーを守れる場所となっているからである。

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しかし張本氏は、自分の営業とマーケティングのキャリアを生かし、西洋にぜいたくなトイレの喜びを持ち込もうとしている。中国では、ウォッシュレットは成功の象徴となっている。このイメージを発展させ、製品の存在感を増すためにその地域のランドマークとなるビル、例えばオリンピックスタジアムや国立劇場などの建築業者に売り込もうと努力していた。

(これ今思うと中国限定の話だったんだな)

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ヨーロッパやアメリカでも人目を引く場所に設置し、トイレマップを配布しようとしている。この手法は日本で最初に行ったことと同じである。銀座の商業地域のウォッシュレットマップを発行し、そのトイレの高級なイメージを強めるとともに潜在顧客にアピールしていた。

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張本氏は環境ビジネスにも取り組んでいる。トルネード式の排水は従来のトイレの1/6、4.8lしか水を使わない。また、その家庭での利用のされ方を学習し、使わないときは省電力モードになるようなソフトも開発している。

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張本氏は120億円の予算、800人のエンジニアで研究していることを誇っている。張本氏は西洋にウォッシュレットつきトイレが導入されることに自信を持っている。「日本でも20年かかったんだ、辛抱強く待つ必要がある」