The Economist で企業対政府についての特集

The Economist の2月20日号で、企業対政府についての特集がありました。

以下、ざっと要約してみました。自分なりの解釈も入ってるので、原文にない情報が含まれている可能性があります。

正しく引用したい場合は原文を参照してください。

企業と政府の関係は敵対的になりつつある。しかし、両サイドとも互いを必要としている。


米国政府はセオドア・ルーズベルトの時代から、強くなっていく企業を制限していくような流れを作っていった。
こうした敵対的な雰囲気は増加の一方をたどるが、しかしあまりに強い制約は経済の活性化を阻害するため、政府は企業を必要以上に圧迫できない。
一方で企業も政府を必要としている。政府は、法システムや基本的な安全保障だけではなく、企業の根幹をなす労働者を教育したり、交通などの社会インフラを整えたりしてくれる。
それだけでなく、インターネットや人工衛星など、企業が商用製品を作るのに必要な多くの科学的研究を行ったりもする。
多くの業界において、政府は主要顧客でもある。防衛産業は典型例であるが、製薬業界なども国民厚生サービスなどが大手の顧客である。建設業界も政府の活動に強く依存している。


もしかすると、現在一番厄介な関係はハイテク産業と政府かもしれない。企業の顧客の一部が、政府がその企業のデータにアクセスしたり、企業のデータの使い方に制限をかけることに不安を感じている。
企業は顧客の側に立つのか、それとも政府の側に立つのか?


もう一つの複雑な問題は、企業と政府の両方によって市民に提供される福利厚生である。例えば、多くの政府は産休を拡大することを要求しているが、これは大企業には実現できても、中小企業にとっては実現がより困難なことである。有権者は税金の増加を嫌がるので、政治家は企業負担で福利厚生の向上を行おうとする。


大企業は政府とうまく付き合っていく必要があることを認める一方、政府は一部の大企業、例えば航空会社などを他国の買収から保護するなど優遇措置をとっている。


このレポートでは富裕国における企業と国家の関係について報告する。税金の役割、規制、競争についての政策、ハイテク産業がなぜ特別なのか、ロビー活動などについて議論する。


ここ最近、企業対政府という構図について特に興味を持っていたので、このレポートは非常に興味深いものでした。
多国籍企業は金銭的にも入手できる情報量も平均的な国家を上回っていて、しかも地理的制約が非常に緩いため、いずれ企業は国家を凌駕するのではと思っているのですが、やはりそう簡単にはいかないようですね。