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個人情報を巡る政府と企業の関係

前回の記事で紹介した、The Economistの政府対企業の特集の記事の1つに、個人情報関連の記事があったのでこれも要約してみました。


個人情報関係の情報を追いかけている人にとっては目新しい内容ではないですが、「政府と企業」という特集の中でわざわざ一つの記事として扱っていることから、The Economist もこの問題が非常に重要だという認識なのでしょう。


翻訳ではないので結構省略したり別の表現に変えたりしています。
興味のある人は原文を読みましょう。


原文: http://www.economist.com/news/special-report/21596668-governments-relationship-tech-sector-hideously-complicated-looking-both-ways

インターネットは、かつてないほどの偉大な個人情報バンクを生み出した。
多くの人々は、初めはインターネット上で買い物をするのを嫌がっていたが、今ではすっかり慣れてしまい、自分の好き嫌いや、写真、名前、友達の詳細をソーシャルメディアに公開するまでになった。
このようなデータはターゲティングのようなマーケティングを行いたい企業にとっては非常に貴重である。技術の進歩のおかげで、企業はどのような傾向をもつ人でも見つけ出すことができる。


しかし、誰がデータの安全性に責任を持つべきか、そしてデータの用途に制限をつけるべきかどうかという重要な問題も生まれてきた。
インターネット黎明期に政府はこの問題に注目したことがあったが、最近の欧州における新しい法律のドラフトはその当時に比べてはるかに重く厳しい内容である。
この法律の対象となる全ての企業は、概算で8万ユーロはかかるデータ保護担当官を任命しなければならなくなる。
5000点以下の個人情報しか扱わない会社は免除されるものの、たとえ小さな顧客メーリングリストでさえこの制限を超えてしまうだろう。
ドイツでは、16の州それぞれが独自のデータ保護の理事会を持っていて、それぞれ別の法律を施行している。バイエルン州では全てのwebサイトはユーザが匿名のままでいることを許容しなければいけないが、これはFacebookのユーザにとっては問題である。自分の名前でログインしないといけないからだ。


政府はこうした問題に対し、消費者の権利を示す一方、安全保障のために企業がデータを提供することも期待している。
さらにはメールや電話なども直接監視している。こうしたデータはテロリストや脱税を監視するのに便利ではあるが、反体制派を監視することもできる。
また、データを盗み出されるリスクもある。この問題についての議論はスノーデン事件によって激化することとなった。
国家が信用できないのであれば、民間企業もまた信用できない。
民間企業の中にはサイバー攻撃を受けたり何らかの事故によって大量の顧客情報を流出した企業もある。
企業は信用の失墜とブランドイメージの毀損を避けるため、こうした問題を解決する必要がある。
また、企業は政府からの情報公開の要請に歩み寄ろうとしている。
Appleは昨年31組織もの政府機関から情報の要求を受けたことを公開した。その大半は米国政府である。


(原文には2013年上半期の先進諸国政府による、主要webサービスGoogleAppleなど、への情報開示要求についての表がある)


インターネットが人々の生活により深く浸透するにつれ、このような問題は急激に重要になっていき、多くの疑問を生み出すことになる。
Twitterのようなサービスプロバイダは攻撃的なメッセージに対して責任を持つべきなのだろうか?
オンラインでの児童虐待に対し、それらの懸念されるサイトの多くがオフショアで運営されていることを鑑みたとき、何ができるだろうか?


インターネットはグローバリゼーションの究極の事例である。
常に新しくサイトがどんどん生まれていくインターネットを監視するのは非常に困難である。
そして反政府主義者から企業の名前に傷をつけたい不満のある消費者まで、誰もが武器として使用することができる。


インターネットとは、言論の自由、プライバシーの権利、そしてイノベーションの自由などの異なる原理が衝突する場所である。
これらの原理のトレードオフはそれぞれの国や個人によって話し合われなければならないが、相互接続した世界では誰もが満足のいく答えは出ないだろう。