本の「食べ方」
私は本を読むときは基本的に
「この本から自分は何を得ることができるだろう」
ということを考えています。
文中に興味を引くフレーズが出てきたら、
「これは何を意味しているんだろう」
「何で自分はこのフレーズに興味を引かれたんだろう」
なんてことを考え始めます。
まあその結果本を読むスピードは非常に遅いわけですが。
このように私は本を読むときある程度考えながら読んでいます。
そして、多くの人が私と同様に考えながら本を読んでいると思っていました。
ところが、全くそういったことを考えずに本を読む人もいるんですね。
読書家のある知人は、
「本なんて感覚で面白ければそれでいい」
とはっきりと言っていました。
別に本から何かを得ようとか全く考えずに読んでいるようです。
しかし、「本は食事だ」ともいっていました。
体が本を欲するから摂取するのだそうです。
私は当初、この言葉に疑問を持ちました。
本から知識を吸収しようとしないのに、それを食事に例えることができるのか、と。
後で間違いに気づきました。
毎食毎食、「私は今ビタミンCを摂取するためにこれを食べているんだ」などと考える人などほとんどいません。
おいしいから食べる。
それが食事の原点です。
それをおいしいと思うのは体が欲しているからであって、決して体の要望を満たすために食事をしているわけではないんですね。
そう考えると、彼の本の「食べ方」は非常に自然だということがよくわかります。
しかし、だとすれば私の本の「食べ方」は食事に例えるとどういう食べ方なのでしょうか?
もしかすると、私はあまり消化吸収の良くない「食べ方」をしているのかもしれません。