大塚家具すごい

椅子がほしかったので、初めて大塚家具に行ったのですが、店員さんが素晴らしかったのでメモ。

第一印象

大塚家具では客一人一人にスタッフがつきます。
正直なところ、「煩わしいな、一人でゆっくり見たいのに」「この人件費も値段に上積みされてるのか」という気持ちを抱き、あまりいい印象ではありませんでした。
しかし、このスタッフの人がとてもいい人でした。

知識量がすごい

椅子について、このメーカーはこういう特徴があり、こういう機能があるということを全て知っていました。
知識だけでなく、使い方も身体で覚えているようで、椅子についたギミックを迷いなく動かしていきます。
もちろん、これだけでは普通の「椅子売り場の店員」です。
実際、大塚家具では入店時にどのような家具を見に来たか尋ねられ、それからスタッフを紹介するという形をとっているので、このときも「椅子に詳しいスタッフ」をつけられたと思っていました。
しかし、大塚家具では全店員が全フロア担当、全家具担当だというのです。
3万とか4万点ある家具についての知識を全て修得するというのは半端ではない知識量です。
なんでも毎週勉強会を開いて常に研鑽を怠らないのだとか。
勉強会はIT業界だけの特権ではないですね(最もこれは社内の話で、別に驚くに値しないのかもしれませんが)

知識をひけらかさない

知識をひけらかすような店員に嫌気がさしたことがあります。
ひどい場合は客の知識のなさを見下すかのような喋り方をする店員も見たことがあります。
今回ついてくれた人はそういう部分が全くなく、ほしい情報を適切に出してくれました。
聞いたことには、たとえどんなに初歩的な質問でも嫌な顔一つせず全て答えてくれます。
また、こちらが積極的に質問していないことでも意図を汲み取って説明してくれたりします。
それでいて余計な情報はしゃべらないのです。

おしつけがましくない

悪い店員でありがちなのが、売ろう売ろうオーラがほとばしっている人です。
言葉の端々に売りつけようという魂胆が見えると、それだけで買う気がしなくなります。
今日の店員さんはそういったオーラはなく、本当に自由に選ばせてくれ、選択の余地(つまり、買わないという選択をする自由)さえ与えてくれました。

楽しませてくれる

購入を決めた後も、「面白いのがあるんですよ」と高級家具コーナーに連れていってくれました。
珍しい形をしたソファや、いかにも高そう(そして本当に高い)という面構えの棚、日本の職人芸の賜物のような木製の椅子など、様々な高級家具が並ぶコーナーを案内してくれました。
私が「これはどういう家具なの?」とか「あれはなんでああいう形なの?」といった質問にも全て答えてくれたりしました。
さらに、この滅多に売れないという高級家具を見せる意味についても教えてくれました。
こうやって高い家具を「最初に」見せておくと、普通の家具を買うときにお客さんが買いやすくなるからだそうです。
既に椅子は買った後だし、第一そんな裏話を客にしていいのか!
と心の中でツッコミ入れつつも、そういった話を含め終始楽しませてくれました。

購入の後で

「他店舗より安くなっております」

と説明を受けたものの、多分こういった人件費のかからないオンライン通販の方が安くなるんじゃないのかとは思ってます(調べたわけじゃないので知りませんが)。
それでも私は、例えちょっと値段が高くなったとしても、十分お金を払う価値のあるサービスを提供してもらえたなと感じています。
安ければ安いなりの、高ければ高いなりの意味というものは必ずありますね。
そういう当たり前のことを実感できた、貴重な一日でした。