第18回The Economist読む隊感想


http://ecotai.g.hatena.ne.jp/keyword/%5B%E7%AC%AC18%E5%9B%9E%5D
基本情報は上記参照。

Face value(Peter Chou, HTC)

全10パラグラフ。

P1

ずっとスマートフォンのODMをやってきたHTCが、今月末にヨーロッパでHeroという自社ブランドの携帯をリリースすることになった。

P2

CEOのPeter Chou氏はどちらかというとカリフォルニアスタイルの経営者のようだ。1972年にDEC台湾のスタートアップに参加し、製品開発の手法を学んだ。

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97年にDECがCompaqに買収される前に会社を辞めてHTCを立ち上げた。

P4

HTCは当初ラップトップを作ろうと計画していたが、うまくいきそうになかった。Chou氏はシリコンバレーより一足早く、スマートフォン事業に乗り出した。

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この事業はうまくいっているが、中国などの低コスト企業が参入してきたり、将来的な利益は縮小しそうだった。その前になんとかしないと、とChou氏は考えていた。

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自社ブランドの立ち上げには色々と問題があった。経営状態が良好なときに会社の事業を変えることを株主に納得させるのは大変だった。また、既存の顧客(ODMのバイヤー)は自分の競合と取引することになるのを望まなかった。さらに、企業文化を「どこかの誰かが考えたことをいかに効率よく実装するか」から「ユニークで独自性の強いアイデアを出す」方に変える必要があった。

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これらの点では、HTCは既にうまくやっている。Chou氏はHorace Lukeという元マイクロソフトWindows Mobile のクリエイティブディレクターを雇った。また、サンフランシスコのデザイン企業One & Co. を買収した。

P8

HeroにはAndroidを採用した。また、Senseという新しいユーザインタフェース(全てのソフトをシームレスに切り替えできるようだ)を開発した。

P9

とはいえ、いかにHeroの出来がよくても発売当日に夜中に行列ができるような(真夜中の狂気のような)ことにはならないし、AppleやRIMほどの脅威はまだない。それに、Chou氏も成功が保証されてるわけじゃないことを知っている。実際、BenQのように自社ブランドを立ち上げて苦戦している企業もある。

P10

しかし、「挑戦する以外の選択肢はない」と彼は思っている。「もしHTCがうまくやってイノベーションの事例となれば、他のアジアの企業も同じように挑戦しようと思う刺激になるだろう」と彼は言っている。

感想

  • 企業文化を変えるために外から人や会社を連れてくるのが面白い。企業文化ってのは中から変えるもんじゃない、ってことがよくわかる。そんなこと100年たってもできやしない。黒船がこなきゃ人は変わらない。
  • ラストが印象的。自社だけでなく、アジアのことも考えてる人なんだということがわかる。

Business this week

  • id:phoにも説明してもらったRio Tinto。中国のヤクザっぷりはやばい。

中国「鉄たけーよ安くしろ。年間契約むすばねーぞ」
Rio「そんなに安くできないよ……じゃああきらめるよ……」
〜 数ヵ月後 〜
中国「おいなんで日本とかよりうちの方がたけーんだよ!」
Rio「だって、年間契約結んでないから毎回の契約だと色々コストかかるんだよ……」
中国「……ああそうかよ。(後ろの黒服に)おい、捕縛しろ」
Rio「え、ちょ、ちょっとまって、僕なにも悪いことしてな」
中国「とりあえず罪状は『国家機密略取』ってことにしとけ」