転職エージェントの活用法

この記事は pyspa Advent Calendar 2018の10日目の記事です。前日は
放送大学と調べ物と私 - rokujyouhitoma's blog
でした。

私がClouderaを退職し、Luminoso Technologies(日本法人名: ルミノソジャパン合同会社)に転職したことは既に書いた通りですが、この転職は転職エージェントのヘッドハンター経由で行ったものでした。

外資系IT企業のヘッドハンターと言えば、スパムのようにメールを送ってきたり、名前を間違えたり、職場にいきなり電話してきたりと悪評は留まるところを知りませんが、今回利用させていただいた中で活用のメリットというのが見えてきたので、私のエピソードとともに共有します。

ヘッドハンターを活用した転職エピソード

ClouderaがIPOした後、会社としては一区切りもついたことだし、現状に不満は特になかったものの、その先のことも考えなければと思い、面白そうな仕事や技術のトレンドなどをゆっくりと探していました。そんな中、あるヘッドハンターからのメールが目に止まりました。

大半のヘッドハンターが大企業の案件を紹介してくる中、そのヘッドハンターだけは見たことも聞いたこともない企業名を挙げてきました。しかも、北米のスタートアップと書いています。興味が湧いたので、会ってみることにしました。

そのスタートアップ自体は話を聞く限りあまり興味の引かれる案件ではなかったものの、そのヘッドハンターは、海外のスタートアップの案件を持っているそうなので、ものは試しにと思い、好き勝手な条件をつけて、この条件を満たした企業があったら話を持ってきてください、とお願いしました。
主な条件は以下の通りです。

  • 自然言語処理に関係があること
  • botに関係があること
  • 立ち上げ、あるいはそれに準ずるフェーズであること
  • 勤務地は東京であること

もともとpyspaの中で俳句botというものを作っていた関係もあり自然言語処理botの世界にはとても興味を持っていました。しかし、自分の知る限りではこの二つを結びつけてビジネスを成功させている企業は一社もなく、とても仕事になるとは思っていませんでしたが、せっかくなので自分のやりたいことを現実性度外視でぶつけてみることにしました。上記以外にも給与等の様々な条件をつけましたが、正直そのヘッドハンターがその条件に合致した案件を持ってくることはあまり期待しておらず、当たればラッキーくらいの軽い気持ちで条件を提示していました。

それから一年後、そんな話をすっかり忘れていた私の元に、一通のメールが届きました。読むと、その会社は自然言語処理に関係があり、botに関係があり、日本での立ち上げメンバーを探している、ということでした。私が提示した条件にほぼ合致していた案件を、そのヘッドハンターは持ってきたのです。

私もこちらが出した条件を満たした案件を持ってきてもらった以上、会わないのでは義理が立たないので、とりあえず会ってみることにしました。

以上が、私が Luminoso と出会った経緯となります。

(余談になりますが、Luminosoはあくまでデータソースの一つとしてchatbotを扱えるというだけで、別にbotの会社ではありませんでした)

ヘッドハンターの活用についての教訓

今回わかったこととしては、未知の業界や未知の分野、未知の職種・職位など、自分が行ってみたいもののツテも何もない、という場合にヘッドハンターを活用することには大きな意味があるということです。ヘッドハンターなしには、私はLuminosoという会社を知ることすらなかったでしょう。
一方、もし既存の技術や職種の延長上での仕事を探したり、よく知った人物と一緒に仕事したいなど、既知の領域での転職を考えているのであれば、ヘッドハンターの活用はあまり有効ではないでしょう。そもそも、全く知らない会社に転職するというのは大きなリスクを伴うものです。私のように、よほど未知の世界に興味がない限りは特に使う必要もないと思います。
また、今すぐにでも転職したい・しなければならない場合などは、一見ヘッドハンター経由だとすぐに仕事見つかりそうな気もしますが、上記の通り全く知人のいない会社への転職はリスクがある上に、転職への焦りからつまらない仕事を選んでしまう可能性もあるため、私としてはあまりおすすめはしません。余裕のあるときに会っておくのが一番いいと思います。

ヘッドハンターの活用法

これはすごく簡単で、以下の3つを実施するだけです。

  • 会って話する
  • 自分の要望を好き勝手に告げておく
  • 放置する

先述の通り、なるべく余裕のあるときに実施しておいた方がいいです。本当にいい案件が来たときだけ話を聞けばよく、そうでなければ普通に現職の業務を続ければいいからです。
要望については、「5000兆円ほしい」でもなんでもいいので、とにかく好き勝手言っといて問題ないです。条件に合致しなければ放置されるだけだし、デメリットは一切ありません。

おまけ: ヘッドハンターとスパムメール

「ヘッドハンターからのメールってテンプレで大量に投げたり、たまに名前間違えて投げてきたりするじゃないですか?あれほとんどの人がスパムフラグ立てて読んでもいないから、もうちょっと丁寧に投げた方がいいと思いますよ」

という話をしたらとても驚いていて、そんな風に扱われているとは知らなかったとショックを受けていました。普段からたくさんの案件を同時並行でやる傍ら大量のメールを送っていて、自分でもそうした問題に悩んでいたのですが、さすがにスパム扱いは衝撃だったようです。

今回の転職活動の中でヘッドハンターの仕事というのも知ることができたし、何より担当したヘッドハンターは素晴らしく協力的で大変助かったという恩もあるので、今後はスパム扱いするのは少し控えようと思いました。

……が。


全てのヘッドハンターのメールからスパムフラグを外すのはまだ当分先の話になりそうです。


pyspa Advent Calendar 2018、明日は taichi です。