日時 | 2009/3/20(金) 20:30 - 22:30 |
場所 | shiumachi邸 |
参加者 | id:pho,id:kany1120,id:shiumachi |
教材 | http://www.economist.com/science/displaystory.cfm?story_id=13277389 |
What's the score?
WWW20周年ということでティム=バーナーズ・リーが引き合いに出されているが、主題はWeb技術を科学者の活動に役立てる方法の話。
もともとは科学的な目的から生み出されたWorld Wide Web、それが今巡り巡って科学者達にとって有益なツールとなっている。
例えば、GalaxyZooやHerbaria@homeなど、WWWを活用して世界中のアマチュアの人の協力の下進んでいるプロジェクトもある。
また、WWWそれ自体が、特に社会科学者の研究材料として有益なものになっている。
科学者は、FacebookやTwitterなどのソーシャルネットワークを形成するウェブサイトを分析して、一見巨大に見えるコミュニティも、本当に密なコミュニケーションをとっている集団は一人に対しほんのわずかであることを明らかにした。
しかし、これらのソーシャルネットワークツールそれ自体は有益であるにもかかわらず、科学者間での活用は遅れている。
例えば、従来より匿名で行われていた論文の査読をブログのコメントのように公開コメント制にする試みもあったが結果は惨憺たるものであった。
量子コンピュータの第一人者ニールセン博士は、コメントを行うことによるインセンティブがないことが原因だと予測する。
科学者にとって、どれだけ多くの論文がアクセプトされ、どれだけ多くの論文に引用されるかがステータスとなる。
ウェブ上でのアイデアの共有を評価する尺度はまだ確立されていない。その尺度ができれば、eBayのようなアイデア共有の市場ができるだろう。その方法はまだわからないが、もしかしたらティム=バーナーズ・リーがその方法を見出すかもしれない、という一文で記事を締めくくっている。
議論メモ
- @homeはそれぞれのおうちでやるという意味
- SETI@homeなんてものがあったり
- 検索のように、お金で買ったり査読で手に入れることができるポイントを消費して査読してもらったら面白いかもしれない
- 科学者のインセンティブは、はてブが増えると喜ばれるのと同じ
- 分野によってIFも違う
- 生物学、医学のIFと数学のIFは全く異なる(数学の方がはるかに低い)(id:kany1120)
- 稀にその辺を理解していない司書が数学の論文雑誌をしょぼいと判断することがある
- はてブも専門分野になるとブックマーク数が落ちる
- 分野をまたいで論文が引用されることはあるのか?(id:pho)
- あるにはあるが、ごく稀(id:kany1120)
感想
- 上の要約には書いていないが、ティム=バーナーズ・リーが1989年に著した“INFORMATION Management: A Proposal”という論文がある。読めば、何か面白いことが書いてあるかもしれない。
- id:phoが「はてなは社会の縮図なのかもな」といっていたが、すごく同意。TwitterやFacebookの研究結果もそのままはてなにあてはまるだろうし、IFの話をはてなに当てはめても面白い。
- id:marqsも同じようなことを言っていた、とid:kany1120。
- 今のはてなではどれだけ被言及されたかを示す尺度がないが、これを作ればはてな内単体でも面白いだろうし、もしかしたらIFの問題の解決にも役立つのかもしれない。
- とりあえずサーティモシーの書いた論文は読みたい。
- 充実した一日をありがとうお二人さん。
以上