ザ・シンプリシティ

いつも使ってる最寄り駅の駐輪場より。

何か説明があるでもなく、アスファルトに白チョークで書かれた「カギ?」の文字。

ある日突然、駐輪場の出入り口にこの白文字が書かれていたのです。


始め見つけたときは一瞬ドキッとしました。

昨日まではなかったそのチョークの文字。

いたずらという風にも見えず、何とも不気味でした。

そしてはっと気づき、あわてるように左ポケットに手を当て、
そこにカギがあることにほっとしたのです。


以来、この注意書きは私の中で

ライト、ついてますか?」

を越える傑作となりました。

「カギのつけ忘れにご注意ください」

などと書いていようものなら、大抵の人はその文字のかたまりを単なる

注意書きという単位でしか認識しないでしょうし、万一読んだとしても

「そんなのオレが忘れるもんかよ」

と相手にしないでしょう。

しかし、ただ一言

「カギ?」

と書いておけば、誰もが「カギ」を連想するわけです。

その在りかも含めて。


実に素晴らしい、まさに「シンプリシティ」を体現した注意書きです。