研究者に捧ぐフレデリカの詩

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「どうか嘆かないで。 世界があなたを許さなくても、私はあなたを許します。
どうか嘆かないで。 あなたが世界を許さなくても、私はあなたを許します。
だから教えてください。 あなたはどうしたら、研究成果を出してくれますか?」

「あなたの乾きを癒せない。 データを欲するあなたがそれを認めないから。
あなたの乾きを癒せない。 あなたの期待するデータが存在しないから。
それでもあなたの渇きを癒したい。 あなたに研究を命じたのは私なのだから。」

「目的物質が見つからないと少女は泣いた。 少女は百年かけて論文を探す。
論文でなく実験かもしれないと少女は泣いた。 少女は百年かけて実験をする。
実験じゃなくて計算かもしれないと少女は泣いた。 本当に目的物質があるか、疑うのにあと何年?」

「一度目なら、今度こそはと私も思う。 避けられなかった実験の失敗に。
二度目なら、またもかと私は呆れる。 避けられなかった実験の失敗に。
三度目なら、呆れを越えて苦痛となる。 七度目となるとそろそろ喜劇になる。」

「low-k材料を作りたくて、私は必死で研究しました。
low-k材料を作りたくて。 何度、徹夜して身体を壊しても研究し続けました。
でも気づきました。 研究すればするほどに挫折した時の心と体の痛みは増すのです。
研究意欲と心身の痛みが同じくらいになった時、 私は初めて蛙の王さまの言葉の意味がわかりました。」

   誰だって論文を書く権利がある。
     難しいのはその享受。
   誰にだって論文を書く権利がある。
     難しいのはその履行。
   私にだって論文を書く権利がある。
     難しいのはその妥協。

     研究の果てにはどんな世界が?
  それは、知るために支払う苦労に見合うもの?
     研究の果てにはどんな世界が?
  それは、何度も挫折しても試すほどに魅力的?
     研究の果てにはどんな世界が?
 それを知ろうと努力して、失敗する痛みを楽しもう。

 その末に至った世界なら、そこはきっと素敵な世界。
 例え結果が大したことないものであったとしても。
 研究しようとする決意が、新しい世界への鍵。
     結果が出たって出なくたって、
     きっと新しい世界へ至れる・・・。


さあ研究しよっと。