以前、私の先輩(彼も間違いなく偉大なハッカーの一人です)に
「ハッカーってどんな人なんですか?」
と問いかけたことがあります。
もちろん、世間一般で言うハッカーのことは知った上で。
彼はこう答えました。
「動くものを作る人のことだよ」
私も彼も当然それは「動作する」もの(つまりソフトウェアやハードウェア)のことをイメージしていました。
しかし今になって思うのは、もしハッカーが画家のようなものであるのならば、もっと抽象的な意味で「動く」ものを作る人全てをハッカーと呼んでいいのかもしれないということです。
つまり、「人の心が動くもの」を作る人は皆ハッカーである、と考えたわけです。
(真っ当な日本語に直すと、「人の心を動かすもの」ですけど)
この考え方は普通のハッカーの考えからは大分かけ離れているのできっと賛同する人など皆無でしょうが、私にはわりとしっくりくる概念でした。
日本語という言語を巧みに操り、人に感動を与えたりする小説家や知恵を与える論説家などの中にはきっとハッカーと呼ぶにふさわしい人がいるような気がします。
絵の世界でも料理の世界でも同様にハッカーがいるに違いありません。
肉料理のハッカーとか恋愛小説のハッカーみたいな人がいたら、是非会ってみたいですね。