放浪の天才数学者エルデシュ

放浪の天才数学者エルデシュ

放浪の天才数学者エルデシュ

実に魅力的な人物に描かれていますね。

子供好きというのがポイント高いです。

締めの文が素晴らしい。

「ベンゼドリンについては書くべきじゃなかった。きみがまちがっているというわけではない。数学を目指す子供たちに、成功するためには薬物を飲まなければならないと思わせたくないからな」
 いつもエプシロンのことを考えている、それがエルデシュだった。

フェルマーの最終定理を読んでいると一層面白いですね。

フェルマーの最終定理では主人公ワイルズと彼を支える家族や友人達の姿に心躍らせたものですが、エルデシュから見れば彼の仕事の仕方、つまり誰にもアイデアを話さず一人で抱え込んで研究することは間違っているという点はなかなか面白い部分でした。

あちこちの数学者を訪ねては一緒に研究するスタイルは見習いたいものです。他人と協力することが一般的であるオープンソースの世界でもなかなかいませんよ、こんな人。

エルデシュだけでなく、様々な数学者の生き様を描き、また数学そのものの悪魔的な魅力(関わる人は狂わされたりすることもありますからね!)も存分に書かれていて、読んでて楽しい一冊でした。


……まあでも、魅力的とはいえ、家に招きたくはないですねえ。

くるなり家の中を滅茶苦茶にされるのはちょっと勘弁願いたいです^^;


(1/29 追記)

タイトルが微妙に間違ってたので修正。(「天才」が抜けてた)

……でも天才ってつけるとちょっとくどい気がしますね。

原文のタイトルは「The Man - Who Loved Only Numbers」で、エルデシュという人を一言で説明しているうまい表現だなあと思います。